週刊ハトさん 2021年振り返り「産後1カ月の育児と生活」

年内残りの配信は特別編でお送りします。今週は「産後1カ月の育児と生活」について。次週は「2021年買ってよかったもの」最終週に「今年やめてよかったこと」をお届けする予定です。

1.産後の母体へのダメージ
2.実践してよかったこと
3.やっておくべきだったこと
4.子の世話フローと夫婦の役割分担
2021.12.17
誰でも

11月中旬に出産した。生活はハードだけど、毎日ころころ変わっていく子の表情や行動がおもしろくて、退屈しない。想像していた産後よりも、ずいぶん楽しく過ごしている。

妊娠中、産後の生活について調べると、授乳や寝かしつけのハウツー、グッズレビューはたくさんあるのに、一定期間のまとまった体験談は少なかった。

親子の状況も子育ても、人それぞれであることを大前提に、あくまで一例として、産後1カ月の暮らしを想像する助けになれば......という思いから、私の体験を公開する。

産後の母体へのダメージ

個人的には、妊娠中(特に初期)の身体の変化の方が、心が追いつかなくてつらかった。痛みはもちろんあるけど、産後の心身は、かなり元気なほうだと思う。

  • 会陰切開の痛み 違和感はあるけど、あまり痛くなかった。入院時から円座クッションは、ほぼ不要。医者曰く「痛みに強い方かもね」。

  • 会陰まわりのかぶれ 切開跡よりもこっちが痛かった。肌に合わない産褥下着とナプキンを長期間身に着けたことで、会陰や太ももの付け根のかぶれが悪化。歩くのも座るのも、こすれて痛い。これを機に、吸水ショーツを購入してみた。

  • 手荒れ 今のところ、これが一番しんどい。指先の皮がぼろぼろに剥けたり、ささくれだらけになったり。乾燥する季節+おむつ替えと哺乳瓶消毒で、こんなに手が荒れるなんて、産前には想像もつかなかった。

  • 貧血 立ちくらみがひどくて鉄剤を処方してもらった。自分では元気なつもりでも、2週目頃に町内一周30分程度の散歩して、ふらついてビックリした。

  • 食欲爆増 産前よりもよく食べる。朝ごはんやおやつが2倍になった。おやつに菓子ばかり食べてしまうので、干し芋をつくったり、ZENBの野菜スティックを購入したりしてみた。

  • 胸の張り 胸が熱を帯びてずっしり重たくなる。ズキズキした痛みで眠れないこともあったけど、授乳頻度と量を調整することで3週目頃に解消した。

  • 情緒不安定 産後2週目頃から、ちょっとしたことでイライラしたり、すぐ泣くことが増えた。ひとりで子の世話をしている時、夫がゲームしている時、あたふたと家事をしている時など「なぜ私だけがんばっているのだろう」とネガティブになる(夫だって一緒にがんばっているのに)。夫に「ごめんね」と言わせるのが辛くて泣くことも。自分ではコントロールできないので、そういうものなんだと言い聞かせて、ちょっとずつ乗り越えてきてはいる。

  • 睡眠不足 どちらかというとショートスリーパーなのか、細切れに寝る日が続いても、そこまでしんどさを感じていない。夜9時くらいに電池切れになるけど、かわりに朝4時とか5時くらいから動いてる。子は夜3回くらい起きるけど、その合間合間で1日平均6時間は眠れている。

***

実践してよかったこと

  • 夫も私も3カ月の育児休暇を取得した。 フリーランスには育休中の手当てが一切ない。妊娠が発覚した時点で、仕事とお金の不安が襲ってきた。まずはできるだけ早く仕事復帰できるように「私にしかできないことを、できるだけ減らそう」と考える。夫と相談して、彼にも休みを取ってもらうことにした。すべての育児を、一緒に経験して、ふたりであーでもないこーでもないと言いながら、親になっていく。同時に育児休暇を取るのは金銭的にしんどいけど、長い目でみたら互いの仕事復帰・自由時間をつくるのに不可欠な時間だと思う。それに、夫が一緒じゃなかったら、最初の1カ月をここまで健やかに過ごせなかった。男性の育児休暇、フリーランスの育児休暇が当たり前になるよう、政府や企業は制度の見直しをしてほしいと強く願ってる。

  • 実家・義実家からの手助けを断った。 狭い家に親が長期滞在することで、気を使って、メンタルがやられるのが目に見えていた。なので親には「気持ちは嬉しいけれども、身体の回復を優先したいので、訪問は1カ月検診後まで待って欲しい」と率直に伝えた。親との親密度や距離にもよるけど、あらかじめ産後どんな対応を取って欲しいか伝えておいてよかったと思う。

  • 「ぴよログ」で授乳と排泄の記録をつけた。 子の生活リズムを記録するアプリはたくさんあるけど「ぴよログ」を使っている。見やすさだけなら、他のアプリでいいなと思うものもあったけど、重視したのは「入力のしやすさ」だった。「ぴよログ」がいちばん手数が少なく、毎日続けられる(実際、使ってみるとAmazon echoと連携できるのが非常に便利)。授乳や排泄の記録があることで、先々の予測を立てられるし、環境改善しやすくなった。入院時からつけていたおかげで、退院後すぐ、夫に生活リズムを共有できたのもよかった。

  • 夫と役割分担を決めた。 現在は以下のとおり。

     夫→ 風呂・鼻水吸い・爪切り・22〜1時頃の世話
     私→ 授乳・5〜9時頃の世話

    基本的に日中+深夜(3時頃)の世話は共同で、おむつ替えはそのときどき近くにいる方がやる。分担は産前に決めていたわけでなく、産後一緒に体験しながら、互いの得意で分担した(夫が猫のシャワーを担当していたので、手際が良いから沐浴担当…など)。分担があるとはいえ、何か他の作業をしていない限りは、ふたりで作業する。買い物や散歩など、3時間くらい家を空けても片方だけで世話できるのがありがたい。

  • ミルクづくりの導線を考慮して道具を1箇所にまとめた。 シンクの前に小さな棚を設置。そのうちの1段に水切りマットを敷いて哺乳瓶と専用の洗剤、スポンジを配置した。さらにシンクの横にポットと粉ミルク、消毒容器を置くラックを準備。
    頻繁に消毒をするので水回りに導線をかためておいてよかった。運用ルールはあまりないけど、主に以下の3つで回している。

    (1)哺乳瓶は全部で4本
    (2)2本洗い上がったら、電子レンジで消毒する
    (3)深夜に備えて、22時頃に消毒した哺乳瓶2本にミルクのキューブを入れておく 

    新生児期は、粉ミルクの計量の負担が少ないけど、今後20ml対応スプーンで240mlとかを計量するのがキツくなってくる。余談だが、いろいろ調べていたら、業務用サイズの大きな缶などに付属する50-100ml対応スケールスプーンがメルカリに出品されているのを発見した。今使っている20ml対応スプーン=1杯2.7gという微妙なサイズなので、需要があるのだろう。ミルクメーカーは、大サイズのスケールスプーンを販売してほしい。

  • 神経質になるのをやめた。 ミルクの量や授乳の間隔、最初はメーカーの記載の通りに...と厳密に守っていたけど、ストレスになるので「あくまで目安」と思うようにした。今は子の健康状態を慎重に見つつ、多少ズレても気にしないようにしている。同様に、沐浴の手順や授乳、泣いた時の対応など、なんでも完璧じゃなくてもいいやと考えるようになった。これから先も、育児には、いい意味での大雑把さが必要なのかもしれない。

  • 産前に寝かしつけ本を読んで、睡眠環境づくりをしてみた。 完璧に守る必要はないけど「育児書を読まない方がよい」とは思わない。特に寝かしつけに関する書籍は、読んでおいて本当によかった。遮光カーテンを設置したり、ホワイトノイズを流したり。なんでも実験だと思って、内容が新生児向けでないとしても、環境づくりを実践してみた。一部の装置は、今とてもうまく機能している。

  • SNSで検索するのをやめた。 妊娠中はマイナートラブルのたびに同じケースの人がいないかSNSで調べて一喜一憂していた。子育てのトラブル事例もSNSにはごろごろ転がっているが、何を信じたら良いのか不安になるだけだった。気になることがあれば、すぐに夫に相談する。知人友人に頼る。SNSで検索するのをやめたら、ずいぶんストレスが減った。

  • 早々に完全ミルク育児への移行を決めた。 仕事復帰のためと、身体・メンタルの負担から、生後2カ月までに完全ミルクへ移行することを決めた。今は計画的に授乳回数と時間を減らしている最中。そのおかげか、子の活動時間は規則的になってきてる。完全ミルク育児に関してはいろいろ言われているけど、最終的な判断は親次第。子も親も無理なく続けられる方法、ともに健康であり続けられる方法がベストじゃないかな、と個人的には思う。

  • 読書や日記、一部の仕事など、産前からの習慣を継続した。 自分だけの時間が少なくなっても、自分らしくいられる時間を失いたくなかった。自分のごきげんが、子にも影響すると思うので。入院中から読書や日記、映画やアニメを見たり、仕事をしたりすることを、ちょっとずつ続けている。今は7-9時台、13-15時台をそういう時間に充てていて、あとは夫に頼ったり睡眠時間をカットしたりして、1,2時間増やすこともある。読み書きはスマホでもちょこちょこできるから、産前よりも捗っているかもしれない。日記には、子について書く欄を増やして、成長ポイントやその日のご機嫌、育児の気付きなんかを記録してる(「ぴよログ」でも写真日記をつけている)。

    早く仕事復帰したいと最初に書いたけれども、実は既に復帰している。資料つくったり、Slackやメールで取引先とやりとりしたり、会議に耳だけ参加したり。事務作業中心だけど、いい気分転換になっている。果たして3カ月後、どれだけ仕事量を増やせるのだろう。もうしばらくは、元の仕事量をこなすことはできないだろうと覚悟していたけど、意外とバリバリ働けるのでは? とも思う。とはいえ、まだまだ見通しも立てられないので、焦って先回りしすぎないようにする。

***

やっておくべきだったこと

  • 産前に近所の消耗品取り扱い店を調べる。 近所のドラッグストアを数店舗まわってみたところ、取り扱いのメーカーや品揃えが全く違った。「このブランドが良い」と目星をつけても、近所にないこともあるので(特に新生児用は扱いが小さいので)事前に見ておけばよかった。ベビーフードなんかにも同様のことが言えそうなので、今のうちからチェックしておきたい。

  • おむつの消費量を記録する。 1日のおむつの消費量が想像以上に多くて、事前に準備していた分があっというまになくなった。サイズアップするものだし、定期便にするタイミングの判断が難しくて、そうこうしているうちにおむつがなくなっていった。育児している知人の意見を参考に、1日の消費量やサイズアップのタイミングを記録管理しておくべきだった。今は「新生児サイズ」のおむつをドラッグストアや通販で不定期に購入しているけど「Sサイズ」にサイズアップしたら、きちんとエクセルなどで消費量を記録して、購入場所も固めようと夫と話している。

  • 抱っこ紐は急いで買わない。 道具全般、早めに買って使い方を試したり備えたりしたのは良かったけど、抱っこ紐だけ後悔がある。夫との共用でエルゴ、私の移動と室内用にコニーを購入していたけど、エルゴを共用するのが意外と面倒だったり、新生児期にはほとんど活用する場面がなかった。コニーはスッと寝てくれるし手が空くので、室内でのんびりするときや検診時に便利。こちらは先に買っておいてよかった。

  • 子の定点観測写真を撮る。 入院時から、毎日同じポーズとか同じ時間で、成長を記録しとけばよかった。毎日の変化が思ったよりも大きくて、気づいたときにはだいぶ変わってたりするので、少し後悔している。

  • 子の服を多めに買っておく。 すぐにサイズアップするし、事前に揃える服を最小限にとどめていたけど、わりと早くに後悔した。ミルク吐いたりおしっこ漏れたりで、1日に数回着替えることもあり、一時服が足りなくなったことも。家から出ることもほとんどないし、子の服はユニクロとかで十分だけど、育児している友人知人におすすめブランドを聞いておけばよかった(結局、出産祝いにいただいた2WAYオールが一番快適で、同じものを2枚追加で購入したので)。

***

子の世話フローと役割分担

おむつ替え、授乳、沐浴を夫婦2人でやる場合、以下のようにしている(夫と私が逆になることもある)。

  • おむつ替え(毎日約10回、1回約5分)
    1.私 おむつ、袋、おしりふきを準備 
    2.私 ライトで夫の手元を照らしたり、汚れたおむつを回収したり 
    3.夫 おむつを替える、だっこする

  • 授乳(混合、毎日約10回、1回約20分)
    1.夫 ミルクをつくる 
    2.私 口周りをキレイにする小さい手拭いを手元に準備、授乳する
    3.私 ミルクを与える、げっぷさせる
    4.夫 哺乳瓶を受け取り、洗い、消毒する 
    5.私 だっこしたり、寝かしつけしたりする

  • 沐浴(毎日18時頃、1回約30分)
    1.私 ドッカトット(ベッド)とおくるみを寝室にセッティング
    2.私 ミルクをつくる 
    3.私 タオルを洗面所に用意する。服やおむつをセッティングする
    4.夫 風呂場の準備。ラッコハグに湯を張る 
    5.私 子の服を脱がして夫にパスする 
    6.夫 ラッコハグで子の全身を洗う 
    7.夫 子を抱えて洗面台へ移動、タオルドライとクリームで保湿、綿棒で耳などをそうじ、鼻水を吸う
    8.私 その間にラッコハグを洗ったり風呂場を片付ける
    9.私 夫から子を受け取り、おむつと服を着せる 
    10.私 子にミルクを飲ませる
    11.私 寝室で寝かしつけする
    12.夫 その間に大人の夕食の準備をする

    ※おむつ替え&授乳後の寝かしつけ、成功すると5分以内、失敗すると2時間ぐずぐずする。平均すると寝るまでに毎回30分かかっている。最初に比べて1カ月経つとぐずぐずの頻度は減った。バウンサーやおしゃぶりなど、途中から導入した道具の力も大きいと思う。

これ以外に、日常の家事も夫と分担。料理の下準備・洗濯・トイレ掃除は私。皿洗い、お風呂掃除、ゴミ出し、猫のトイレ掃除は夫など。産前からこの分担はあったけど、子が生まれてからは、自然とふたりで協力して作業するようになった。

***

親になってまだ1カ月。子育てに終わりはないし、ここに書いたことも、数日後にはすっかり変わっているかもしれない。また子育ての区切りのタイミングで体験記を配信しようと思う。

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